片思いをしていた時のことを覚えていますか?
その人のことを思い出すだけで胸が締め付けられ「心」ってここにあるんだ!と気が付くようなそんな片思い。(平井堅の「センチメンタル」の歌のようですが…)
初めての待ち合わせ…何を着ていこうかに悩み…
そんなキラキラした時間があったことを…
もし今真っ最中なら「記録」して欲しいくらい素晴らしい時間だし…もしも忘れてしまっていたら思い出して欲しいのです。
恋愛は誰しもが「好き」という感情のもとからのお付き合いで、誰しもがその「きゅん」とした感情があったはずなんです。
ですが…付き合うようになって…そして月日が経っていくと…
人は少しずつ少しずつ、その人がいることが当たり前になり、さらにはその人に対して「もっとこうしてほしい」「もっとこうあってほしい」という欲が出てきます。
「何でこの人はいつもこうなの!」
「やめてほしいって言っているのにちっとも直らない」
「私の気持ちわかってるの?」
「結婚する気あるのかな?」等々…
でも…立ち止まって欲しいのです。
変わったのは果たして彼だけなのだろうか?と。
変わったのは「私」も同じなのではないだろうか?と。
もちろん、何年経っても「キュンキュン」していたら病気になりそうです。
心臓が持ちません。
でも…「感謝」を忘れ「愛」を育むことを放棄したのは片方だけなのでしょうか?
お互いなのではないでしょうか?
恋人同士でも夫婦でも「どちらかだけが悪い」は存在しないと思うんです。
私は長い占い師人生の中で大変ありがたいことにたくさんの「お悩み」と向かい合ってきましたし、今なお現役で向かい合っています。
やはり思うのは…「コミュニケーションへの諦め」を感じるのです。
それは発端はご主人の場合もあります。奥様の場合もあります。でも向かい合ったり、同じ方向を向いたり、互いを尊重したり…その時間を億劫がらずに過ごしていたら…?
私は離婚したこともある人間です。
大きな事件はありませんでした。
ですが小さな小さな「孤独」の積み重ねが私の心を蝕んでいきました。
帰ってこないだろうけれど、外でご飯を食べてくるだろうけれど…もしかしたら帰ってくるかもしれない夫のご飯を作り、朝、やっぱり手の付けられていないそれを捨てる…心を殺しただ淡々とその作業をしているうちに私の心は病んでいきました。
今なら思うんです。無理かもしれなくても…変わらないかもしれないけれど…
「寂しい」って言えばよかったのかもしれないと…
見栄っ張りだった私はその寂しさを誰に吐き出すこともできませんでした。
あの時占い師さんでも、カウンセラーさんにでも「私はどうしたらいいですか?」と言えたら良かったと。
31歳の私に48歳の私から声をかけるのならば…
「コミュニケーションを諦めてはいけない」ということです。
かたや何十年経っても仲の良い夫婦がいます。
海外に行くとよく、海辺や水辺を手をつないで散歩している老夫婦と出会い、満面の笑顔とともに明るく挨拶を交わします。
そのとき感じるのです。
こんな風に年齢を重ねることも出来るのだと…
景色を見て、美味しい食事を2人で食べ、会話を交わし…ビーチでそれぞれが読書をしていたり…その老夫婦は察するに色々な困難を乗り越えて、それでも「優しい気持ち」をお互いに忘れなかったのだと…ただそれだけの些細な違いで…
でも…その小さな積み重ねが…あまりに大きな未来へと変わるのだと感じるのです。
もう一度言います。
変わったのは彼なのでしょうか?
あの頃の気持ちを…大好きで胸が苦しくなったあの気持ちを忘れてしまったのは「私」なのでは?と考えてみて欲しいのです。
あなたを守ってくれているのは、あなたが文句を言えるほど心を許せている彼をもう一度真っ直ぐな目で見つめてみませんか?
旅人占い師(カウンセラー)セレナ