いくら思い出しても、なぜそう言う気持ちになったのか思い出せないでいる。
ただ、覚えているのは無性に人生観を変えたくなって、パートナー(現夫)の家のリビングの床でゴロゴロしながら「はぁぁぁぁ、人生観を変えたい!」
そう呟いた記憶はある。
そう、それが私の過ちだったのか…
目がキランと光り「それなら、インドだね」と言うや否や、飛行機のチケットは抑えられていた。
そう、パートナーはインドが大好きですでにもう6回以上行っている。
でも私と付き合った時、「もうインドは行けないな」と思ったようなのだ。
何せ、私は綺麗なものが好き。香港の市場でも「臭い!」と騒いで歩けないのだから。
そんな私が「人生観を変えたい」なんて言うのだから、このチャンスを逃す手はないと思ったようだ。
私は思った。「もう、どうにでもなれ…」と。
彼はインドのプロだ。どうにかなるだろう…
そして、インドに降り立ち「あれ、案外空港綺麗じゃない?」と思ったのも束の間…
一歩外へ出て唖然。来てしまったんだ。
沢山の人が押し寄せ、想像を遥かに超える状態に笑いが出た。
パートナーは慣れたもので、その人たちに一切怯まずタクシーに向かう。
そう、今日はニューデリーの空港近くのホテルに一泊して明日バラナシに向かうのだ。夜のニューデリーの景色を見ながら、なんだろう…血が騒いでいた。
人々が生きている。
ホテルに到着して、ホッとすると疲れが出て眠気が襲ってきた。
インドは宗教上の理由からお酒がないホテルが多い。(高級ホテルなどはあったりする)お酒を飲んでから寝る習慣のあるパートナーが寝るのに苦戦している中、私は夢の中へ沈んでいった。
早朝
やけに早い便の移行機に乗ってバラナシへ向かうことになっていた。
呑気に朝食を食べ、空港へ向かうと恐ろしいほどの人が溢れかえっている。
「さすがインド!!!人の多さ、半端ないね!!!」と言っている私にパートナーは「いや、これは絶対に何かあったよ…」と。さすがインドを知り尽くした男。
アナウンスを聞くとシステムエラーで空港がめちゃくちゃだ。
私は過去、色々な空港でアクシデントを経験したけれどインド人のいい意味での「何がなんでも自分が先に」という精神になぜか私の魂に火がついた。
負けてたまるか…(笑)
ここでなんの自慢か、私は小柄だ。身長が153センチしかない。だから海外に行くと大きな人の脇あたりをくぐり抜けることが得意だ。だからそう言う場面に出くわすとパートナーは「陽子ちゃん行け!」と言う。ひょいひょいとかなり前まで進むことができるのだ。
でも今思うとこのくぐり抜けると言う技は、インドが発端だった気がする。
上ばかり向いてブーイングをしているインド人の隙間を通って前へ前へ進むのは容易だった。NICE!小柄!
はっきり言おう。インド人は適当だ。嘘つきなのではない。その時の「多分自分はそう思う」を真実かのように言う天才だ。信じちゃいけない。
「君たちのチケットは大丈夫だよ!」「そうだよ、まだまだだ」
パートナーは全く信じていなかった。(ちなみに彼らのヒンズー語訛りの英語はヒングリッシュと呼ばれ、ものすごく聞き取りにくいけれど、パートナーはブータンに数年住んでいた経験から、完璧に聞き取れる)
前進できるところまで前進した私のところに、182センチの大きなパートナーがやってきて、そこで困っていた同じくバラナシに行こうとしている日本人のパスポートを預かり5人分のチケットをゲットした。
インド人の言葉を信じていたら、もう一泊ニューデリーに居るところだった。
その3人の日本人にはものすごく感謝され、お水を数本もらった。(インドでお水はありがたい!)
いざ!!!バラナシへ…
そしてバラナシで…本当のカオスを知ることとなる…
続く
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セレナ