旅をすると相性がわかるというのはよく聞く話である。成田離婚という言葉があるように…旅行というのは、その人の良いところも悪いところも全部見えてしまうのだ。
そう考えると、良太はいつだって穏やかで、少々「華菜ちゃんに見せたいものがある!」というものが多いだけで、それだって見方を変えれば優しさだし…私は一緒に旅をするごとに「この人とはずっと一緒に年月を重ねられる気がする」と思った。実際この旅から4年経った今も横で微笑んでいる良太がいるのだから、私のあの日思った事は間違ってはいなかったのだろう。
逆を言えば、条件も何もかもが完璧なのに、自分の中でどうしても「違和感」を覚える人がいる。そういう人はやっぱり長くは付き合えない。
私は教会が大好きだ。中学校からカトリック系の学校に通っていたこともあり、「ここではみんな素直になれる」そう信じていた。
そんな中、THE無宗教の良太は嬉々として全ての教会に入っていく。大きなカテドラルに入るのはわかるのだけれど、どんな教会でもすごく嬉しそうに入るのだ。
でも、彼はやっぱり見る視点は違っていて「これはゴシックだね」だとか「バロックだね」とかブツブツ言っている。
私が跪いて祈っていると、彼は嬉しそうに「本当は華菜ちゃんが正しいんだよ。教会とはそういう場所だから」と、私が熱心に祈ることを否定しないどころか全肯定だ。
恥ずかしがらずに、遠慮せずに祈ることができる。そして、彼は彼で独自の楽しみ方を持っている。
私たちは、同じ場所で違うことのできる2人なのだと思った。
人はみんな違う。私たちはバツ1同士だから、そんな事を嫌というほどわかっていた。
違うから、思いやりが必要。違うから、感謝が必要。違うから尊敬が必要。そんな2人が、パレルモの熱波の中を歩いているという人生の不思議。
絶望を味わったから、些細なことの喜びを感じられる。
イエズス・キリスト像が優しい顔に見えた。
夜になった。
なぜかパレルモ版食べログみたいなものを見出した良太。そこで人気の高いピザ屋さんに行った。
とても大きなレストランで、至る所で陽気なイタリア人が盛り上がっている。家族もいれば、若者たちもいる。
そこでピザやその他色々を頼んだ。なんだか雰囲気が「ファミリーレストラン的」でちょっと嫌な予感がしたけれど、その予感的中!
いや、美味しくないわけじゃないんだ、決して。
でも…もう2度と行かないだろうという、そんなお店だ(笑)大量に残したピザは持ち帰り、次の日の朝食にした。
良太は少し凹んで
「やっぱり、僕が選ぶお店より華菜ちゃんが選ぶお店の方が美味しい…」
そんな良太が可愛くて、そして何よりイタリアというのはその辺のマンマが作るお店が美味しいということがよくわかった。
高級店や有名店などに、行く必要などない。
そして次の日の朝、事件は起こった。冷蔵庫を開けると朝食がない!!!昨夜もらってきたピザがあって良かったと思いつつ、それでもパンや卵も欲しいからフロントに電話をしたが誰も出ない… 仕方がないので聞いていた携帯番号に電話をかける…
すると、フロントにいなくてはならないはずのルイージが陽気に電話に出た。すでに出かけている様子だ…やれやれ…
「掃除を頼まないからだよ!今から持っていくよ」
やや待って、ルイージではなく、仏頂面の奥さんが朝食セットを持ってきてくれた。総じてパレルモの女性は強そうだ。いや…きっと男性たちが、あまりに適当だからかもしれない。
愛すべきいい加減…
続く
セレナ
※ブレスレットのご予約やお問い合わせなどが増えてきています。
私も作り始めると、物凄い集中力で一気に作るので少しだけ待っていただけたらと思います^^
ですが、もしこのままご予約が増えると、お披露目する前にSOLD OUTとさせていただくこともあります。通常、売られている価格の恐らく半値以下では提供できると思います。
石自体が華やかなので、ロンデルなどは一切使わず、石そのものを楽しみたいと思っています。
モルガナイト・インカローズ・エメラルドを入れることができることは、作り手としても悲鳴が出ちゃうほど嬉しいです^^
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