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私小説 パスタとハグといい加減(18)

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ローマ3日目の早朝…朝の弱いパートナーが珍しく笑顔で起きている。確か5時くらいだった。ホテルの外に出たら、今までのイタリアとは思えないほど涼しく、そして人はほとんど歩いていなかった。

街はまだ目覚めていない。そんな静けさだった。

地下鉄に乗り、気持ちのいい朝を堪能しながらトレビの泉へ向かった。

「こんなに静かなトレビの泉は初めてだ!」と良太は衝撃を受けていた。私にとっては初めてのトレビの泉。大好きなローマの休日の映画で見た「あれ」をしなくてはいけない^^

はい!お約束ー^^

コインを投げる。後にコインにも投げ方があると知ったけれど…私は取り急ぎやってみた感じだった。良太の満面の笑顔がとにかく忘れられない。この人は本当に父親みたいだ。私に全ての体験をさせたいんだ。

あまりに人がいないトレビの泉。

コロナ最中ではないですよ^^4年前ですから。とにかく早朝がオススメであります。

涼しいというのは、ただそれだけで心に余裕ができる。イタリアの熱波はそれほどに私に打撃を与えていたのだ…。ゆったりとしている自分、呼吸がしやすい外歩きは久しぶりな気がする。

良太もご機嫌の私を見て満足そうだった…彼は本当に前世はお父さんじゃないだろうか?

そして「ここから歩いてすぐにスペイン広場だからね^^華菜ちゃん、がんばって歩こう!」と。あのオードリ・ヘップバーンがアイスクリームを食べたあの場所だ!!!(ちなみに今はアイスクリーム禁止)

私はワクワクして出かけた。私はオードリ・ヘップバーンの若い頃も晩年も、とにかく生き方までもが大好きだ。あんなに美しく、地位も名声も財産も全てがあったオードリー、晩年はユニセフで広告塔となり多額の資金を集めた。実際に現地に赴き、戦火の子供たちを抱きしめていた。口だけではない、有言実行の女性だ。

「自分が有名だからこそ出来る事」をしたのだ。考えただけで涙が出るほど感動する。

いつまでもいつまでも、こうしていられるほどに気持ちがいい。

この日、私たちは日本に帰国する。良太との長い旅が終わる。暑かった、美しかった、美味しかった、歩いた、沢山のハプニングがあった…そんな珍道中をあの時反芻していたように思う。

「華菜ちゃん、階段の上からモデルのように歩いてきて!」完全に面白がっている良太。

「153センチのモデルですがいいでしょうか?」そんなことを言いながらその気になって歩く。

ここはなんて美しいのだろう。早朝の澄んだ空気の中でローマ最後の日の朝は…笑いが絶えなかった。

スペイン広場を登り切った場所からの風景がまた最高である。その時、私は急に思い出したのだ。

「ねぇねぇ、確かこのあたりに私の母校の姉妹校があるはず!」と。もちろん、見てもわかるはずもなく…中学校の時にシスターに聞いた「スペイン広場を登ったところに姉妹校があるんですよ!学生証を見せれば入れてくれますよ」という言葉。あの頃の私にはキラキラ輝いて聞こえた「世界中に姉妹校があるんだ!」と思った喜びだけが、淡く思い出された。私はあの頃夢に見た場所に、今立っているんだ。

早朝に来て良かった。

そして、まだまだ完全に目覚めていないローマの街を散策しながらホテルに戻った。イタリア最後の日の朝散歩は本当に清々しく美しかった。

ホテルに帰り朝食会場に行った。今回のホテルの朝食は見た目も美味しそうだし、実際に本当に美味しかった。パンだってフルーツだって卵やチーズだってフレッシュで香り高く、おまけに気持ちの良いテラス席もある。

ただし…大問題が!…ここのテラス席の鳩たちはハムを盗むのだ…ホテルマンも慣れたもので「あーぁ、また取っておいでよ!」的な感じである。だから二人で席を空けることが出来ず、一人が死守しなければならないのだ。

そして朝食を食べ、チェックアウト。まだ少し時間があったからホテルに荷物を預け近所を散策することに。

倹約家の良太らしく「華菜ちゃん、ユーロが余ってるから最後は豪華なカフェに行こう!」と。

私、もちろん大喜びである。

そしてそれはレブップリカ広場にあった。

5つ星ホテルのカフェ…サービスがイケてる!ホテルマンがイケメン!今までのアットホームや無機質とも違う、イタリアの洗練を見た。

ビールとジュースを頼んだだけなのに…オシャレなスナックが付いてくる。流石だ!ちなみにここは、後で良太に聞くと

「パラッツォ ナイアディア ザ デディカ アンソロジー オートグラフ コレクション」という一生覚えられそうもない長い名前の五つ星ホテル。高級ホテルしか泊まらない方、是非どうぞ!

私たちはここで、時間の許す限り旅の珍道中を笑ったり、ほんの1週間前だったはずのボローニャの話を懐かしく話したりしていた。テラス席だったけれど、なぜか暑かった記憶がないのだ。道路沿いなのに、見える景色は美しく…終わりよければすべて良しというくらい「イタリア最高!」と思っていた。

良太の最後の作戦は大成功で、私の最終日は、名残惜しさでいっぱいだった。

でも時間は過ぎていく、そう、私たちは旅人。

旅人は帰る場所があるのだから…

ホテルに戻り荷物をピックアップし、空港へ向かった。

続く

セレナ

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