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私小説 パスタとハグといい加減⑦

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名残惜しかったけれど…Luccaの街に別れを告げ、鈍行電車に乗った。

のんびりとしたローカル電車。途中で急行に乗り換えるという良太の計画だったし、何度も言うように急ぐことなど何もないのだ。日本では、なぜか少し心が急いでしまう。自分の軸をしっかりしておかないと、何もしないと言うことに罪悪感すら覚えることもある。

でも、ここに来て気が付いたことは、いつも情熱的である必要などないのだ。パンを焼くときのように、沢山のベンチタイムを入れながら、ゆっくりとゆっくりと進めばいい。そんな風に、田舎の景色をのんびり眺めていた。

ふと良太を見るとなんだか慌てている。

「華菜ちゃん、ここだ!降りるよ!」と。

そうだ、途中で急行に乗り換えるんだった。

私たちは張り切って降りた。でも、なんだか不安げな良太…。そして、降りて急行に乗り換えようとしたとき…良太が「やってしまった」と言うような顔をしている。

「あー、やっぱり降りるところ間違えた…」とぼやいている。なんと一つ前で降りてしまったようなのだ。急行の電車のチケットは、座席指定でもう取ってしまっている。さぁ…どうする!!!笑い飛ばしたいけれど、動かなくてはならない。焦る旅ではないけれど、今は急ぐ時だ!

旅にハプニングはつきものだけれど…本当にわかりやすくハプニングが次々と起こるのだ。

駅員さんに良太が英語で話しかける。

すると優しく陽気なイタリア人、「タクシーを呼んであげるから隣駅までタクシーで行きなよ!」とタクシーを呼んでくれた。全員とは言わないけれど、ほぼほぼ私が出会ったイタリア人はいい人が多かった。

タクシーを待っている数分がとても長く感じる。暑さと焦りの中、タクシーが見えた時、そのタクシーが輝いて見えた!(笑)そしてタクシーに乗り込み「急いでくださーい!15分しかないんです!!」と告げる。

すると…タクシー爆走(笑) え!そんなに急いでくれなくてもって言うくらいに爆走してくれて…

そして駅に着いた時のちょっと頭頂部に輝きのあるイタリア人のおじさんが「やったぜ!」という顔で振り返った。

最高のドヤ顔!いただきました!!!

そして私たちは沢山の感謝を告げて5分前には駅のホームに着き、急行に乗ることができたのだ。イタリア人、女好きなだけじゃない…優しい…大好きだってその瞬間思っていた。それは、今ももちろん思っている。愛すべき「いい加減」な部分を含めて…。

車窓を見ながら、大好きなボローニャの街に戻る。あぁ、こんな時間が永遠に続いたらいいのに。

例えば日本の場合だと、ポイントポイントが美しい。京都や金沢や自然で言えばもちろん故郷の北海道も美しいし…沖縄の海も美しい。私は日本を否定はしない。

でも、所謂「美観地区」以外のところに私は大きな魅力を感じないのだ。美しい所に行くまでの道が美しくない。看板が無駄に大きかったり、夜の街灯が白すぎたり…建売の家が点在していたり…そこには歴史がなく…趣が感じられない。

イタリアに来て思うのは、どの場所も美しいと言うことだ。古さも含め…

実は道に沢山ゴミが落ちていたりするし、国民のルールは「うーん、ポイ捨てダメよ」等々…思うところは沢山あるのだけれど…(笑)それでも、古さを活かし生きるというセンスは見習いたい。街に意志を感じる。

赤茶色の街並みが見えてきた。ボローニャだ。なんて美しいんだろう。

電車を降りて、暑さに一瞬たじろぐけれど…大好きなあのホテルに帰ることが私は嬉しくて仕方がなかった。

その日のディナーの記憶がない…

私たちは何を食べたのだろう?

写真もないのだ…

もしかしたら、胃腸を整えていたのかもしれない。

ただ、ジェラートを食べた記憶はある。だって毎日食べていたのだから…笑

ちなみにパートナーによれば、この日は地元では有名な老舗レストランで、

ミラノではなく「ボローニャ風カツレツ」と「当店名物のティラミス」を

いただいたらしい。

感想は?と尋ねたら、「老舗の味」という言葉だけが返ってきた。

続く

セレナ

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