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食欲のレダン島 2017・5

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今思い出しても笑えることがある。

それは「私の食欲が尋常じゃなかった!!!!」ということだ。

知っている人は知っていると思うけれど、私には「潰瘍性大腸炎」という持病がある。

パートナーと出会って約5年の間に、ほぼほぼ寛解を維持という状態だけれど、出会ってまだ間もない頃はすぐに持病が悪化していた。

不幸中の幸いで、私はステロイドが本当によく効く体質で(ワクチン同様、西洋医学に敏感な人もいるだろうけれど、私は西洋医学が無ければ生きてはいけない)まさにレダン島に行く頃に持病が悪化し、ステロイドを飲んでいた。

ステロイドの副作用の一つに「食欲が旺盛になる」というのがある。

もうもうもう、底なし胃袋で食べる事ができるのだ。しかも、いつもの3倍くらい美味しく感じるのだから…

あの環境の中、食べるもの全てが美味しくてたまらなかった。

特に朝食のヴュッフェは天にも昇る美味しさ…また食べたい…

でも私は、自分の食欲に任せて食べることを自粛していた。

だって、あの頃は、まだ付き合って半年くらいしか経っていないし…(笑)私は、もっと食べたいのをグッと我慢していた。

ところが最終日の朝、パートナーが「今日はきっとランチの時間が遅くなるからしっかり朝食を食べてね!」と言うではないか!心の中でガッツポーズ!!!!

そして心が求めるままに、胃袋が求めるままに、食べまくった。

パートナーが唖然とするほどに…(笑)

こんな風に持病が悪化したときに飲む薬すら…食べ物を3倍くらい美味しくなるという特典だと思えば…病と仲良く過ごせるんじゃないかと思う。薬を飲むのが嫌でも、飲まなければいけない病もある。でも、どうせ飲まなければいけないのなら…ポジティブに変換する力があればいい。

そんな風に思えてから、私は自分の病をネガティブに考えなくなった。

もちろん病は歓迎するべきものではない。

旅に行くとき、大量の薬を持っていくことは正直嫌気がさすこともある。

でも、私の生き方をしっかりと振り返らせてくれたのも病であり、そして背負ってしまったものを受け止めることを教えてくれたのもまた病である。

辛かったこと、痛んだこと、病んだこと…どんな経験も「優しくなる」原動力につながるような気がする。

私の人生の中には「病」があった。「息子の病」「私の病」。

でもそれを理由に逃げることはしなかった。

レダン島の海は、空は、緑は、花は…讃えてくれる。気がしていた(笑)

セレナ

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