どんな風に韓国の旅日記を終わらせようか考えていた。
日韓はどうしても…過去に色々あったせいで、未だなかなか仲良くできないのは誰もがわかっていることで…それでも私たちは韓流ドラマに夢中になったり、K-popを聴いたり…
ただ、まるで過去を消すことは都合が悪いことかのように…日韓は悪いニュースばかりが目立ってしまう。
「過去の事は変えられない」
人はよくこんな言葉を使う。
私はいつもそのことだけに囚われることに疑問を覚える。それで良いのだろうか?
そんな事はない。
今を変えることで、過去の記憶を踏まえつつも、未来に向けて前向きな気持ちに変える事だってできるのだ。
例えば…私は横浜での記憶は…関西に来たときは最悪なものだった。まるで逃げてきたと言ってもいいくらいだった。心身ともにボロボロだった。
でも、今の私はそんな過去を懐かしく思い出すことができる。
なぜか?それは、今の私が幸せを掴んだから。だから、この幸せのためにあった出来事だったと思えるから…
辛い記憶は優しい出会いと共に変化できる。
そんなことを考えていたら、まるで私の言葉が「本当だよ」というかのように素晴らしい映画を見た。
スペイン語だったのでスペインの映画だったのだろうか?
「家に帰ろう」という映画だ。
かつてポーランドのユダヤの収容所から逃げ生きてきた老人の話だった。
彼が老人ホームに行くのが嫌で、70年以上前に離れたポーランドの友人の家に行くのだ。でも絶対にドイツは通りたくないという。彼の恐ろしい記憶、憎しみの記憶が蘇るのだ。
でも…ドイツを通らずにはポーランドに行くことは不可能だった。
途方に暮れた老人は、1人の美しいドイツ人の女性と出会う。
彼女は人類学者でナチスの事はとてもよくわかっていて、恥ずべき事だと言い「何か手助けをしたい」と言う。
最初は老人はドイツ人と言うだけで突っぱねてしまうけれど、少しずつ老人の心は解けていく。最後は2人はハグをして別れる。
老人の記憶が完全に塗り替えられた訳ではなかったけれど…
それでも彼は確実にドイツの地を踏んだ。優しいドイツ人女性とハグもした^^
少しだけ、記憶が塗り替えられたかもしれない…
私たちは過去を忘れてはいけないけれど、それを超えなくてはいけないとも思う。
人間はどこまでも残酷になれるから…だから、それは忘れないで…でも、次にバトンを渡すときは憎しみを手渡さないということが大事なのだと思う…
今なお、アフガニスタン情勢…変わらずミャンマー情勢…人はどこまでも制圧する事で弱者をコントロールしようとする。命を簡単に物のように終わらせてしまう…
何度もパートナーに質問して、難しい世界情勢を理解しようとしているけれど…私がここで偉そうに言えることなどないのだ。
宗教・政治・国…どこかで人は狂ってしまう。そして自分こそが正義だと思ってしまう。人間とは愚かだ…
でも…自分を含め反省したい。
私の正義は誰かを傷つけるかもしれないということを…
そしてそれは誰しもが思わなくてはいけない。
話は大きくそれてしまったけれど…
私は時代が変わった今、隣国韓国を愛したいと思う。何度も行きたいと思う。世代が変わるとき…お隣の国との関係性が優しい記憶になるといいなと思うのである。
この旅ではキムチアタックに負け、帰りの空港でハンバーガーを食べてしまった私…次こそは…韓国料理を存分に楽しみたいと思っているのであった^^
セレナ