さて、前回の5周年の続きとなります。
完全に個人的な内容ではありますが、「ちょっと贅沢したいな」という方の参考になることも期待しつつ書かせていただきますね。
いよいよ…最初のメインディッシュとなります。ここまでで1時間は軽く超えていました^^楽しい時間だからあっという間ですが…
キンキ 黒オリーブ
こんなに脂ののったキンキは食べたことがありません。そしてナイフ入れた瞬間に溢れんばかりの脂なのに、軽やかなその脂がほんのりとアクセントになり、全く胃にもたれない。
そしてお次は
全粒子の手打ちパスタ 匹見のワサビ
ちょっと驚きました。まるでうどんのような小麦の純粋な旨味を味わいのあるパスタでした。ワサビの香りがほのかに…(鼻が悪い人は気が付かないレベルです)
驚かせようと思って料理をしているわけではないだろうに、あまりに初めての感覚に痺れます。優しい…
そしていよいよメインディッシュです!
北の里自然牛 キノコのソース
これ、放牧牛なんです。だから霜降りとかそういう感じの味とは違う…野趣のある…でもしっかりと柔らかく噛み締めると旨味が溢れ出てくるそんなお味。自由にのびのびと育った牛さんのお肉を感謝して頂きました。
さぁ、料理はここまでです!!!
そして…いよいよデザートなのですがこれがまたアートなんです。
コミス シャーベットとカラメリゼ
コミスとは洋ナシのことなんです。メインディッシュの後に優しく口の中を元に戻してくれます。シンプルでありながら計算されている…そんな1品です。
シェフの定番…焼き栗のようなものと(これは秋の香りを感じてもらいたいとのことでした)
そして「5th Happy Anniversary」のプレートと共に…
栗のプリン ラム酒風味のコーヒーゼリー
まさに秋を感じさせる2品、自然な華やかさ…これまた感動です。よく、こういうプレートの文字って「あれ?へたくそだな(笑)」と思うことってありません?ですがこの完璧さにもまた驚き。
というわけで、アニバーサリープレートとともにお久しぶりのセレナです^^
喜ぶ49歳(笑)(すぐ消すかも)
温かいゼリー オレンジとバニラ
プラリネクリームとフランボワーズのパウダー。
クリームの奥深い甘みとパウダーの酸味が絶妙です。
これを食べて最後に私は紅茶を、パートナーはエスプレッソをいただきました。
一言で言うならば、「はぁ、終わってしまった…」という感じです。
こうして私たち3時間にわたるまるでそれぞれの食材の産地を巡っているような食の旅は幕を下ろしました。
私たちも沢山の旅をしながら、その国々で食の文化に触れながら生きていますし、これからもそうしていくつもりです。
そんな私たちが、自信をもってお勧めします。Fujiya1935
ちなみに今回最後までお腹がはち切れそうにならずに完食できた勝因は、
この美味しすぎるパンをあまり食べなかったことです!(香川県産の究極にフレッシュなオリーブオイルが泣いてました> <)
少食な皆さんには、ディナーのコースでは「パンを食べすぎない事」をお勧めします^^
5年って本当にあっという間でした。
今私は、先日他界した瀬戸内寂聴さんの「寂聴九十七歳の遺言」を読んでいます。
欲望のままに恋をし、波乱万丈に生きた寂聴さんはこう言っています。
「人間は誰かを愛するために生まれてきたのです。誰も愛さないで死んでいくということは、せっかく生きてきたのに惜しいことだと思います。もちろん愛したらいろんな苦しみが伴います。けれどもその苦しみを味わわないと人間の真のやさしさとか想像力とか、本来的に人間に備わっている素晴らしい力が表に出てこないのではないでしょうか。」
私は、今ならこの言葉の意味がわかるような気がするのです。
愛しているからこそ、乗り越えられることも同時にたくさんあるのだとも…私は知りました。
沢山の感謝を、ここに語りつくせない感謝を込めて。
泣き虫な私を、本当は弱虫な私を、気が強いのに繊細という厄介な私を、受け止めてくれる杞憂な人。
これからも、1日でも長くよろしくお願いします。
セレナ